深夜の電話

固定電話の番号って決める時、いくつかある候補の中から選べるのですが、私が選んだ番号がやばかった。

 

夜中1時過ぎ電話がなった。

 

そんな時間の電話はうちでは珍しく、そしてやな事が頭をよぎってしまう。訃報かなにか命に関わることか。

 

電話をとった夫が数秒後怒鳴り声をあげて電話を切った。

 

間違い電話にいきなりキレるぐらいの短気さは珍しくは無い。

 

「なに?間違い電話?」

「みたい。訳わかんない事言ってたから切った。○○先生の電話ですかって」

「なんじゃそりゃ。」

 

その日はそれで終わった。が、次の日も夜中に電話が。

 

今度は私が出ることにした。

「はい」

「あ、○○先生いらっしゃいますか?私、数年前に印鑑を作ってもらった○○です。大変な事が起こってしまって…」

「すいません、今この番号はうちが使用していて○○さんの電話ではないんです。」

「えっ?そう…なんですか…○○先生の電話番号ご存知ないですか?印鑑を作っていて、その時見てもらって…」

「すいませんわかりませんし、電話番号変えられたと思いますよ」

「…そうでしたか…」

と、電話は切れた。

そして二度とかかってこなかった。