廊下
本家は江戸時代から医者の家系でかなり大きかった。
掘りごたつに雪見障子があり、長い廊下があり、私は好きでしょっちゅう遊びに行っていた。
ある冬の日、両親とその家に行った時の事。
私は台所でそのうちに住む叔母さんとそこの娘と(大人)共にお菓子をたべていて、掘りごたつの部屋に両親がいた。
私がお菓子を持って両親の所に行くと、両親がびっくりした顔で私を見ている。
「あんた、さっき向こうに行かなかった?」
「え?」
「…さっき廊下を子どもが走って行った足音がしたからてっきり…」
その家には大人しか住んでいない。