アパート

人がいつかないアパートに住んでいた。

 

隣の奥さんと仲良くなった。

「ここのアパートさ、人がいつかないんだよね…」

「へえ?」

「うちは引っ越してきて3年位で割と長いけど、2階も、お宅の部屋も入れ替わりが結構あるのよ…特に何もないけど…ずっと住んでるのはうちの隣の道路側のおたくだけね」

 

別に変なことはない。

二階建てで6部屋しかなく、築浅で1階は庭もある。

小学校も幼稚園も近く、緑もある。

バスの便もよく、少し行くと色々な店が建ち並ぶ通りにも行けるし、スーパーも近い。

 

私が住んでいた2年間、2階が引っ越してきていつの間にか居なくなった。夜逃げらしかった。

 

私はそこにいた2年間のうち1年は病気で入退院を繰り返していたが引越した途端元気になった。

タイミングが重なっただけと思っているけれど…

え?

私が掃除をしていると

わぁー

と言う幼い子どもの声と共に、何かが落ちたようなガシャンガタンという音が聞こえた。

音の方に行くと飼い犬のゲージの屋根が落ちていて、中にいた犬はびっくりした様子だった。

怪我などはなく安心した。

犬はまだ子犬だった。

ペットの声が聞こえた気がして嬉しかった。

 

それから数年たち犬の声も気のせいだったかなと思っていた。

 

私は掃除機をかけていた。

すると夫がなにか私に言っている。

ただ掃除機の音がうるさくて内容は分からない

「ちょっと待ってて、あと少しで終わるから」

と夫に返事だけして掃除を続けた。

 

掃除が終わり夫に「なに?」と聞くと

「いや、何も言ってないよ。でも、1人で喋ってるからどうかしたのかなって、なぁ」

そばに居た娘も

「いきなり喋るからびっくりしたわ」

と。

ふとあの犬のほうをみると私の顔を見ていた。

ま、まさか?

 

びっくりしたが1番びっくりしたのは、声なのかテレパシーなのか分からないけど、聞こえたそれが歳をとっていたことだ。

場所4

高級別荘地としてできた住宅団地がある。

その場所は合戦場だったそうで、雨の日になると馬にのった甲冑姿の武士が現れると言われているが、住んでいる人に聞いた所出る場所と出ない場所があるそう。

 

その近くには昔、鳥の屠畜場があったそうで頭をはねても歩く鳥をみたと母に聞いた。

 

場所3

手が下がるお地蔵さんがある。

 

交通量の多い大きな道路のそばに立つお地蔵さんは、左手をおがむ様にし右手は手のひらを上に向けていらっしやるスタイルなのだが、その右手のひらがだんだん外側に向いていってしまう。

 

その場所に立てられた経緯は、すぐ側にある線路に汽車が走っている時崖崩れがあり、沢山の方がなくなってしまったので供養のためとか、交通量の多い道路の事故が起こらないよう見守って欲しいなどがあるようだ。

 

事故が多いので守りきれず手が下がるなどとも言われている。

場所2

ある岸壁の土地は非常に強い心霊スポットと言われていた。

 

私が知っているだけでも3回は建物が変わっている(20年程の間に)

 

最初そこにはラブホテルの廃墟があった様に思う。

その後アパートになり、そしてカラオケ店になった。それが焼け落ち、しばらく空き地だったが最近リゾートホテルが建った。

 

出火した時、廃墟に住んでいたホームレスの方が亡くなったそうである。

 

カラオケ店だった時、歌っていると知らない声がはっきり聞こえるなど、声に関係する怪異がしょっちゅうあったそうだ。

 

土地の除霊はあまりの強力さに霊媒師が諦めたそうだ。

 

何がそうさせるのか。

 

文献には昔まだ道路がない時代、村から村に行くために通る道は2つあり、ひとつは恐ろしく足場の悪い山中か、海の岸壁を通るしかなく、かなりの人間が命を落としたとあり、これが原因なのかもしれない。

 

 

場所1

うちの近所の大学側にしめ縄を巻いた大岩がある。

その岩は噴火によってその場所に落ちたそうだ。

 

ある日近所の学生がその岩のしめ縄を切ってしまい大変な事になった。と言う噂はその辺では有名な話だそうだ。

 

ある文献にはその岩は、自分がいた山を恋しがっているため、常に山の方向に向いていると言われ、崇めると学問に効果があると記されていた。

 

またその辺の土地は様々な事故事件が多い。

某事故物件サイト内の記事がおかしくなっていたり、兄弟で争い殺傷した事件やものすごく飛び降り自殺の多いアパートなどがある。

 

https://youtu.be/2Nm-KS21kq8

トントン

食事を喫茶店で娘としていると、娘が突然

 

「首締められてる苦しい。」

 

娘の後ろは壁。人の入る隙間もない。

 

「背中もトントンされてる、なんかいる?」

 

「う〜ん。もしかしたら下に敷いてるかもしれないから1度立ち上がって」

 

がたっと立ち上がって少しして座ると

 

「あ、どこかいったみたい。直った」

 

私は気配がわかる時があるだけで、見えることはほぼない。

しかも分かるものは自分に直接関わってきた時と、機械を通したもの、写真や動画の方が分かりやすい。

 

ごめんね、見えなくて。上にすわってしまってと謝った。

 

https://youtu.be/lSgbcOFglpQ